よく考えてみると万が一、当時このフリッチャイ盤が発売されていたら
DGはムラヴィンスキー盤を録音しなかったかも知れませんね。

その意味ではこの録音がお蔵入りとなったことは幸運でした。
なぜなら私たちは現在、これら全く方向性の異なった2つの名盤を
同時に手元に置くことができるのですから。

ただ、フリッチャイ自身にとっては不幸でしたね。
なぜなら万が一この録音がお蔵入りとなっていなければ
この指揮者の評価も今までとは全く違ったものになっていたでしょうから。

逆にムラヴィンスキーのほうがマイナーになっていたかも知れませんね。
録音一つで2人の指揮者に対する後世の評価の明暗が分かれるなんて皮肉なものです。