リシエツキの様な誠実で奥ゆかしさが感じられるピアニストは万人受けはしないかもしれないが、モーツァルトでは彼らしい控えめで、消え入りそうなリリシズムを感じた。
日本人の精神には元々備わっていたものをポーランド系カナダ人が体現してくれたって気がしたよ。

アンコールのトロイメライは惹き込まれる様に微細でただただ美しかった。弱冠24歳のシャイな美青年に感謝するしかない。

下野さんの「田園」は各セクションの連携とフレージング、小気味よいテンポなど全てに渡って素晴らしすぎる演奏だった。

対向配置で音の分離と融合がとても見事に表現されていた。

広上さんが花束を渡してスピーチしたのには驚いた。下野さんが京響を去られるのは惜しくて堪らない。

あんなに己ではなく音楽に尽くす指揮者もそう多くはないだろう。ありがとう下野さん。

アンコールのプーランクは下野さんと京響メンバーが互いに別れを惜しんでいるようでグッと来たよ。

滅多に遭遇しないコンサートだった。