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とにかく朝比奈さんは誰からも愛された。
う楽員はもとより、裏方も大事にしてくれた。
音楽的に才能がなかったと言う人もいるが、
楽曲に対しての知識は豊富で、演奏に際してスコアの読み込みは人一倍熱心だった。
演奏の基礎についての指摘があるが、音楽黎明期の人だから、今の演奏家に比して手探りだったことは致し方なかったであろう。
しかし、その熱意たるや人方ならぬものがあり、頑固で愚直な考えは、スコアに忠実であるのさ事を基本としつつ、柔軟さも兼ね備えていた。
レパートリーは若い頃はかなり広く、ソレはそれなりに啓蒙活動に役立って、大変貢献度は高かった。
しかし、次第に独墺系の精神性重視の楽曲に絞り込み、ブルックナーを我がくにに紹介した第一人者であった。またロシア音楽にも最後まで真摯に取り組んだ。
音楽に技術は大切だが、決して器用な指揮者ではなかったものの造詣は深かった。
故に朝比奈隆は音楽家としても一流だったと言えるだろう。