>>652続き
休憩後の第3幕第一場
カルメンが死の運命≠知る「カルタの三重唱」、再度訪ねてきたミカエラのアリア、共にカルメンを愛するホセとエスカミーリョがナイフで決闘する二重唱…。
ホセはミカエラから故郷の母が死ぬ前に会いたがっていると聞き二人で去る。

第2場。
本来は闘牛場の前の広場だが今回は舞台手前にレッドカーペットが敷かれている。
そのシモテから映画スター(?)や車椅子の映画監督(プロデューサー?)らが現れセンターでポーズを取る。
映画祭なのか。
奥の鉄骨が上がりファンが出てきてカミテから登場するスター達を待つ。
歓声があがりスマホで写真を撮る…。
最後に正装した闘牛士エスカミーリョがカルメンと腕を組んで現れる。
闘牛士は今でいえば映画スターや監督と同じだと言いたいのだろう。…

ラストシーン。
ホセがカルメンを三回刺したと分かるのは「ウッ、ウッ、ウッ」とカルメンの声が聞こえたから。
ドゥストラックは殺され方が大変うまい。
自由に生き自由に死ぬカルメン。
これも愛の行為なのか。
ホセは「おれを逮捕してくれ……おれが殺したんだ!」
本来はここで闘牛場の群衆が出てくるが最後まで二人きり。
「O ma Carmen! ma Carmen adorée! ああ、おれのカルメン! おれの大好きなカルメン! 」
ホセ村上敏明は追いつめられた動物のような眼で客席の方を見る。
すると、上から鉄パイプの構造体が降りてくる。
殺人者を閉じ込める檻のように。
グッときた。本作を締め括る音楽にはいつも心を動かされる。
闘牛場で興奮するファンらの合唱。