東京二期会が「さまよえるオランダ人」を新制作初演
演出の深作健太に聞く 産經新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/30e4b5f66c553b6d458d2f2f0639730127e9488c
東京二期会がワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」を新制作、世界初演する。
このワーグナーの初期における作品は「愛による救済」をテーマに荒々しい管弦楽が鳴り響く。
演出の深作健太は「今『さまよえるオランダ人』を上演するには放浪者やアウトロー、冒険に敗れた者という視点を持たないといけない。オランダ人はユダヤ人と割り切るより、もう少し大きな存在ととらえます。ここ数年のできごとによって逆説的になってしまった面がある」と話す。

■こんな時代だからこそ

舞台はノルウェーの港町。
嵐を避け、避難しているダーラントの船の目の前に幽霊船が現れる。
船長のオランダ人は呪いをかけられ永遠に航海しなければならない。
上陸できるのは7年に1度。
永遠の愛を誓う女性を見つけることが望みだが、これまでも女性の貞節を信じては裏切られてきた。オランダ人から財宝をもらったダーラントは娘ゼンタの婿にふさわしいと会わせる。ゼンタはたちまちオランダ人を救済するという使命を悟る。しかし、エリックとの仲を誤解したオランダ人は去っていく。ゼンタは愛を証明するため海に身を投じる。すると呪いを解かれた幽霊船は沈没、オランダ人とゼンタは天に昇っていく。

ワーグナーは債権者に追われ、リガからロンドンへ逃げる途中、暴風雨に遭い、着想を得たという。神罰によってさまよい続けているオランダ人の幽霊船の伝説があり、ドイツの詩人、ハイネの小説を基に台本を書いた。ワーグナーが29歳のとき、1843年にドレスデンで初演された。

また「さまよえるオランダ人」は「さまよえるユダヤ人」をなぞらえたものという指摘は古くからされてきた。「さまよえるユダヤ人」の伝説は13世紀のヨーロッパで広まり始めた。イエスを罵倒したため地上を歩き続けるように呪われた不死の男だ。ワーグナー自身、反ユダヤ主義を表明していた。