【X】宇野秀和
藤原歌劇団公演「妖精ヴィッリ」「カヴァレリア•ルスティカーナ」@上野。先般の「椿姫」に続いて大成功の上演ではないか。2演目とも良かったが、特に「カヴァレリア•ルスティカーナ」は感動的であった。
このオペラらしいドラマティックで心揺さぶられる上演となった立役者は、歌手の皆さんだ。

トゥリッドウの笛田博昭が文句なしの輝かしさであったのは予想通りだが、その他のキャストも、全員非常に高水準だったことは特筆に値する。
サントゥッツァの桜井万祐子、
ルチアの牧野真由美、
アルフィオの井出壮志朗、
ローラの丹呉由利子。
不勉強な私には、名前に馴染みがない人たちだが、
その歌唱と演技の見事さには唸らされた。
中でも、桜井万祐子はドラマティックな歌唱が誠に素晴らしい。前半のトゥリッドウとアルフィオとの丁々発止のやりとりは絶唱の連続だ。
「妖精ヴィッリ」は初めて観た演目だが、同じく歌手の健闘によって大変楽しめる上演となった。
アンナの砂川涼子が安定の歌唱だったのは勿論だが、ロベルトの澤崎一了は凄いテノールだった。もう少し声量があれば、笛田博昭に十分匹敵するレベルだ。それにしても、藤原歌劇団所属の歌手の力量、層の厚さには驚かされる。
今日の上演を引き締めていたのは柴田真郁の振る東フィルだ。
このオケは指揮者によって出来がバラつくが、今日は豊かな響きが素晴らしかった。指揮者の手腕以外の何ものでもなかろう。演出はオーソドックスで違和感なし。詳細は割愛する。

来月には東京二期会も「カヴァレリア」を上演する。比較するな、というのが無理なタイミングだ。果たしてどうなるか。