【X】マサゴロウ(ジュリアン柴田)
東京二期会「カヴァレリア・ルスティカーナ」「道化師」①

結論から言ってこの数年で観たどのオペラ公演よりも不満の残る公演。
要因は単に演出。
細かく作り込まれた演出は逆にくどさを露呈し、それが音楽家たちの足かせとなり、音楽そのものが犠牲になってしまった例。
申し訳ないがブーイング物。

円形舞台を使い、複数の場面を横当て照明を駆使し、あたかも映画のワンシーンを次々に見せて行くような演出だったが、昔流行ったオペラ映画を固定カメラで撮影し、それを遠巻きに眺めさせられるような感覚。

舞台上の歌手陣はソロも合唱も込み入った演出を「演じる」事に精一杯といった感じで肝心の「歌」が置き去りにされ上の空状態。
バッティストーニの棒も流石と思わせる歌わせ方に横の揺さぶりも聴かれたがバランス重視の優等生的棒で迫真性に欠ける。
問題は演出が音楽の足かせとなっていた点。

最悪というべきは開始10分で簡単に予測できた2作品の演出の共通項をダメ押しのように各々の間奏曲で脈絡なく登場させた点。
比較は不毛だが、先日の藤原歌劇団公演での共通する簡素なセットに共通する小道具で2作を示唆した見事な演出とは雲泥の差。

公演初日なので、回を追うごとに良くなっていくとは思うが、それでもこれまでの二期会の「荒れる」初日とはまた違った様相だった。
客席の反応も初日とは思えない冷ややかな物。お座なりな拍手に申し訳程度のブラボー。初日名物のブーイングも無し。