裁判の主な争点と、敗訴を決定づけた「理由」
​Fender側は、これらは我が社の象徴的なデザインであり、消費者はこの形を見ただけでFender製だと認識すると主張した
​しかしTTABがこれを退けた背景には、主に以下の3つの理由があった

​1. 一般的な形状としての完全な定着
​反対派のメーカー(ESPの社長など)は我々は何十年もこの形状のギターを作っており、ユーザーもそれをFender製ではなく『エレキギターの一般的なスタイル』として購入していると証言
市場にあまりにも同形状のギターが溢れすぎておりボディ形状単体ではもはや製造元を特定する機能を失っていると判断された

​2. 決定打となった辞書のイラスト
​判決の中で非常にユニークだったのが、1987年版のランダムハウス英語辞典の引用
​辞典のGuitarの項目を開くと、一般的なエレキギターのイラストとしてまさにストラトキャスターの輪郭が描かれていた
​TTABはこれを大衆文化や一般社会において、この形状は特定のブランドではなく、エレキギターそのものを指す『一般名詞的なデザイン』として認識されている証拠として採用

​3. Fender自身の過去の広告表現
​Fenderが1986年のGuitar Player誌などに出した自社広告も裏目に出た
広告内で「エリック・クラプトンは一人しかいない。Fenderも一つだけ」といった表現を使いつつ他社のコピーモデルの存在を長年黙認・放置していたことが、「自らその形状を一般化させることを許容していた」と突っ込まれる要因になった

​この2009年の判決によりギター業界のルールが明確に区切られた
​ヘッドストックとロゴは Fenderが商標を保持(他社は模倣不可。ライセンス契約が必要)
​ボディ形状: Generic(業界共通の財産)であり誰が作っても法的に咎められない