あるとき「気遣い」が川を渡っていて、粘土質の土地を見かけた。「気遣い」は思うところがあって、その
ひとかたまりを手にとって、形を作り始めた。自分が作ったものについて思いをめぐらせていると、ユピテルが
やって来た。「気遣い」はユピテルに、自分が形を与えた土くれに精神を授けてやってほしいと頼んだところ、
ユピテルは快く応じた。ところが、「気遣い」が自分の捏ね上げたものに自分の名前を付けようとすると、ユ
ピテルはそれを禁じて、これには自分の名前が与えられて然るべきだと言った。名前について「気遣い」と
ユピテルとが争っていたところ、テルス(地)もまた立ち上がって、その像に生身の一部を与えたのは自分な
のだから、自分の名をそれに与えるように求めた。争う者らは、サトゥルヌスを裁き手に仕立てたところ、
サトゥルヌスは次のような、どうやら公平とおぼしき裁きを与えた。「ユピテルよ、おまえは精神を与えたの
だから、これが死ぬときに精神を取るとよい。また、地よ、おまえは体を与えたのだから、体をもらうとよい。
「気遣い」は、このものに最初に形を作ってやったのだから、これが生きているかぎりは「気遣い」がそれを
持っているとよい。しかし、名前について争いがあるのだから、それは見てのとおりフムス(土)から作られ
ているゆえ、ホモ(人)と呼ぶのがよいだろう」。

高田訳SZ#42,295~6頁


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