田辺元 『仏教と西欧哲学』 (2003)

宗教哲学一般を解説した本。
西田哲学や京都学派の理論的背景を理解する上でも参考になる。

田辺は宗教哲学について、ヘーゲルの次の様な言葉を引用している。

「宗教哲学は哲学体系中の最高の部門である」
「哲学の展開の最後に到着する最終の部門である」

これらは当時の哲学の性格をよく表すものだろう。

また、仏教の論理がヘーゲルの論理と同じであるともいう。

「空は絶対無である。(略)
その無と有との転換媒介としての中というのは、行為の立場、ヘーゲルの論理にいわゆる成である。(略)
ヘーゲルの場合には、有(Sein, being)無(Nichts, non-being)成(Werden, becoming)となっています。」

空と縁起について。

「存在の相対性、無自性、思想の相依相待という考えを徹底して空という立場に立つことは、
西洋の思想には本来殆どない所であるといっていいかと思う。」