2012/2/25

ハイゼンベルク自身を含め物理学者らの多くは、これまで
2つの不確定性原理の区別をきちんとつけてこなかった。
今回の実験で実証された小澤の不等式は、誤差と乱れ、
そしてゆらぎをきちんと区別した上で、かつてハイゼンベルクが
追究した測定の限界を正しく語っている。2003年に提唱され、
これまでは一部の専門家にしか知られていなかったが、
今回実験で実証されたことで、物理学界全体に知れ渡った。

名古屋大学の谷村省吾教授は「誤差・乱れとゆらぎの区別が
明確になったことは、特に実験において意義が大きい」と指摘する。
従来は誤差を小さくするにはゆらぎを小さくするしかないと考え
られていたが、小澤の不等式は「わざとゆらぎの大きな状態を作り、
誤差を小さくするという方法があることを示した」という。

宇宙の背景放射やニュートリノ観測などの精密測定は、いずれ
量子雑音が問題になる領域に近づき、誤差と乱れの限界値が
問題になるだろう。それに最も近いとされているのは重力波検出で、
建設中の重力波望遠鏡「KAGRA」の研究チームは今後、
小澤理論が重力波検出について持つ意味を検討することにしている。