「数が不在であることは、偶数か?」
このように問いを設定したとき、数学では肯定的に答える他ないでしょう。
数の存在を前提とする数学において、数の不在は、0によってしか表されず、
その場合、0は数と見なされて、偶奇を問うなら、偶数と答える他ないのだから。
しかし、日常言語で数が「不在である」ことが、偶数の数が「存在することである」
とするなら、やはりそこには矛盾が感じられ、哲学的な問いが生じる。
逆に、「単位(unity)は、奇数か?」と問うこともできる。この場合も、単位を認める
とはどういうことなのかを問うなら、やはり日常言語の表現との齟齬が生じて、
哲学的な問いが生まれる。これは、数学が数の存在を前提としており、
数学には存在の哲学が欠如しているからだ。