「ニューアカデミズム」ブームでもてはやされるようになった、
ジャック・デリダとかジル・ドゥルーズ、ジュリア・クリステヴァといった人たちも、
フランスではまともな学者とは見なされず、
大学で博士課程の学生を教える資格を持っていないという。
ところが彼らは米国ではもてはやされ、それが日本へ伝わったのである。

フランスの社会学者ピエール・ブルデュー(1930-2002)のところへ
やってきたアメリカ人の大学院生が、デリダやドゥルーズに教わりたいと言ったので、
ブルデューが彼らは博士課程の学生を教える資格がないと告げたらびっくり仰天した、
と書いている(『ホモ・アカデミクス』)。

(小谷野敦『哲学嫌い ポストモダンのインチキ』「1章 哲学は学問ではない」p17-18より)