近ごろ世間ではやる人新世について

原子力都市と海賊by 矢部史郎(後期)


「人新世っていう議論についてどう考えてる?」とか、「斎藤こうへいについてどう評価
してますか?」とか、最近よく聞かれるのですが、私は本の執筆やもろもろの作業で
忙しくしていて、最近の議論を一切読んでいないので、わからないです。なにも知らない
のです。今日も新聞社の記者から電話があって、「君の見解はどうなの」と聞かれました
が、本当に読んでいないので知りません。興味もありません。

ただ、読んでいないなりにざっくり乱暴に論評するとすれば、権力論や主体の問題に
ついての興味深い議論はなさそうだな、と。私が関心を向けないのはそういうところです。

例えれば、新しいマンションの完成予想図のようなもので、うわものの外観を描いて
見せて、いいねえとか素敵だねえと言っているような印象。完成予想図というのは設計図
ではありませんから、ただの外観の絵です。画餅です。その絵には、地下で建物を支えて
いる基礎だとか、空調や給排水の設備だとか、建物の基幹的要素について書かれては
いません。人新世の議論はそういう印象。本当に興味が持てない。まあ、いっさい読んで
いないので、偏見の決めつけなのですが。