黒瀬ゲラ京アニ事件とは

黒瀬はゲンロンから単著を出すため何度も東に企画書を出していたが
東のお気に召さず、その日もダメ出しをくらっていた
東は「悪の愚かさについて」のゲラを黒瀬に渡し、参考にするように言う
そのゲラはまだ誰にも見せていない出来立てホヤホヤの自信作で、
黒瀬に対する一番弟子としての特別の期待を示すものであった
その流れで黒瀬は、自身が運営する「芸術動画」の突発ゲストとして東に出演を依頼
かねてより自身のゲンロンチャンネルと似たビジネスモデルである芸術動画を
黒瀬が独自に運営していることを快く思っていない東だったが、ここは出演を快諾する
番組は穏やかに進み、黒瀬と東は絆を確かめ合ったかに見えた
その番組内でも東はまだ誰にも見せていないゲラを黒瀬に渡したことを
何度も口にしていたと記憶している。
しかしその後黒瀬から新たな原稿が上がってくることはなく、
黒瀬は自身がキュレーターを務める美術展「TOKYO2021」の準備に没頭していた
次に東が黒瀬と会ったのはTOKYO2021の会場であった
ゲラを渡して数ヶ月。その間東への感想はない
東は黒瀬にゲラの感想を聞いた。焦った黒瀬がとっさに答えた感想とは、
「この題材(悪の愚かさ)で書くのにどうして京アニ事件に触れなかったんですか?」
というものであった
京アニ事件が起こったのは東がゲラを渡し、芸術動画に出演した3日後である
その時系列すら把握していないと言うことは、ゲラを渡してからそれを読んだのが
かなりあとであることを意味する。さらにまともにゲラの内容を読んでいればそのような質問をするはずもない。
東と会うことになって慌てて斜め読みした以外に解釈のしようがないのである。
このことが東を深く失望させ、それ以前は許していた黒瀬の横暴な振る舞いも
許せないものとなり、粛々と新芸術校の清算を進めていた中で起こったのが黒瀬セクハラ事件だったのである。