>>719
経済学では経済的な営みに需要と供給とか生産と消費とか
そういったサイクルを想定することがありますが
栗本に言わせるとそれらは過剰と蕩尽というサイクルに還元されるとのことです。
これはじつは経済的な営みに限らず人間のすべての営みはこのサイクルを持つ
とされます。
人間は過剰を溜め込みやがてそれを蕩尽する、
ここで過剰は蕩尽するために蓄積されるというのが過剰-蕩尽サイクルです。
たとえば先日話題にのぼった「スポーツ」を例にとると、
スポーツ選手が苦しいトレーニングや厳しい食事制限をするのは
じつは良い成績をあげるためではなく、
いつかそのような生活を止めるためだと考えます。
その開放感が本当の目的だというのです。
普通はちょっとピンとこないはなしです。

しかしここで「暗黙知」なるものが関わるとされます。
「暗黙知」というのはある種の「深層意識」ですが、
栗本によれば人間の行動はそのようなものに常にコントロールされている
というのです。
つまりスポーツ選手は表層意識レベルでは良い成績をあげるために
トレーニングをしているつもりであっても
無意識にはいつかそれをやめるためにやっていると考えます。
にわかには信じがたいところですが
ただし深層知が関わること自体はある程度ではあり得る気がします。
たとえば多くの動物は本能的な衝動に基づいて行動しているはずですが
結果的に個体維持や種族維持へとつながります。
いいにおいがするものを食べるとそれが栄養になったり、
やりたいからやると結果的に子供ができたりするわけです。
そしてそこにはそのようなシステムをつくった何らかの構造があるはずです。
私たちは思いのほかそのシステムにコントロールされているのであろう
と考えるわけです。