情況2002春 45ページより
絓秀実 「第四波を犬掻きする」



確かに、「全て」の男たちは、
自身のファルス享楽を原父の享楽と大なり小なり
同値錯覚している馬鹿であり、
そのことを分離派は鋭く突いている。
なお、「全て」の男は馬鹿であるということを
延々と言い続けた日本の小説家に、
『エロ事師たち』に始まる野坂昭如がいる。
「エロ事師」とは馬鹿の別名である。もちろん、
ファルスをペニスと錯覚することは「通俗」的な認識だから、
野坂は 「戯作者」を自称したのである。
日本のフェミニズム批評は、
誰よりも野坂を論ずるべきではないのか。