真実だとも虚構だとも"判断がつけられぬ"ものをカントは「憶測的な起源」と述べているのだが、ここまで再現性が向上した理由について、推理は以下の通りとなるだろう。

・事件後、彼女は心労のため入院し、その後SNSから姿を消すのであるが、この顛末の多くは人々の奥底に仕舞い込まれてしまい、表に出る事がなかった。

・フィクションの中だけなら語る事が許されるだろう。という安堵の中で、彼女の存在は語り継がれる事になる。彼女は数多くのフィクションに、その呼び名を変えながら何度も何度も登場し、陳腐な言い方をすればデータベース化されてしまったようである。

・ただし、それはどれも本物には決して手に届かないような模倣であり、模倣であることはもちろん承知している。いわば"制約されたもの"である。

・とはいえ、その膨大なデータベースによって、"制約されたもの"は"制約されたものの総体"と化した。もちろんAIによる構成なのであるが、統計的、また理科学的にも筋が通ってしまう理屈である。


まぁ、ルソーやカントは本当は何を述べたかったのか?その最深部を見るかのようである。