>>525
古来、人類は自然を活きた存在としてとらえてきたが、発達した都市文明では、アニミズムをシステマティックにとらえ、生物の体制である「有機体」に基づいて自然の原理を説明してきた。古代ギリシャのイオニア自然学では、自然の変化をプシュケーと呼ばれる活力によって説明していた。ここからアリストテレスは、人間を含めた自然界のすべての動きが最終的な目的(テロス)に向かって進むと考え、自然を生き物のように成長し、発展するものとした。アリストテレス自然学やプラトン主義、ヘルメス思想などの有機体論的自然観は、キリスト教にも大きな影響を与え、中世やルネサンスを代表する思想となった。近代においては、カントが有機的な自然には目的性が働いており、全体と部分が相互に関係し合う統一体であると考えた。現代では、ホワイトヘッドが有機体の創発性を通じて自然の調和性を再評価してる

東洋の哲学にも同様の考え方がある。ヴェーダのリタに基づいた宇宙論、仏教の縁起の法則、儒教や道教の気や天人合一思想、無為自然などの概念は、人間を含む天地万物が互いに関係し合い、全体として調和を保つという有機的な自然観を示している。この有機体論的自然観は、自然を有機的な統一体としてとらえ、自己組織化(目的性)、相互依存性、部分と全体の関係性、人と自然の一体性(主観と客観の一体化)、そして自然をプロセス(「モノ」ではなく「コト」)として理解する点で共通している。これらは自然が単なる機械的な存在ではなく、動的で複雑な秩序をもつ有機体として存在しているという視点を共有しており、人間もその一部として自然や神と調和して生きるべきだとする思想をもっている。この点で、自然を外部から客観的、機械的にとらえる近現代思想の主客二元論や機械論的自然観とは対照的であり、人間を含めた自然の各部と全体(主観と客観、心と物質)が互いに依存しあい、その再帰的・循環的なフィードバックによって自己言及のダイナミズムを持ち、一体不可分な全体的な知識を形成するということでよろしいですね