>>156
木下光生も注目すべき

さて、木下氏の指摘に興味を持った私は、さっそく氏の書いた『貧困と自己責任の近世日本史』を購入。3800円もしたが買い求めた。

 そうして一気に読み終えたのだが、「いやー、昔はひどかった」と今、声を大にして言いたい。
日本人が冷たいのって今に始まったことじゃなくて、ずーっと前から自己責任社会だったんだ、ということがよくわかる。
それだけではない。「自己責任バッシング」のディテールが、今のネットでのバッシングとほとんど変わらないのだ。
江戸時代の村人、藤右衛門とマツが田んぼのあぜ道とか神社の裏とかでコソコソ言ってたことが、今、ネットに書かれているだけの話なのである。
 例えば大和国平群郡法隆寺村(現奈良県斑鳩町)ほか10カ村では、1837年(天保8年)、村から公的に「施し」を受けた者に対しての申し合わせが取り交わされている。
 その内容は、村からタダで米を施された以上、受給者は衣服や履物、髪飾りといった「見た目」でも、常日頃から行動を慎むべき、というような内容で、
成人男性に対しても「羽織、雪踏」という正装を禁じている。
期間は「一代限り」となっており、子や孫に受け継がれることはないようだが、一代と言えば「長ければおよそ20~30年にもおよぶ行動規制」である。
しかもこの時期は、飢饉によって社会全体が苦境に立たされていたそうだが、そんなことはおかまいなしに「村に迷惑をかけた者」は厳しい制裁の対象になっていたのである。
リーマンショックが起きた年の末に開催された年越し派遣村に、「自己責任」と言った人がいたのと同じ構図だ。

http://www.jimbunshoin.co.jp/smp/news/n27694.html