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ミルの「危害原則」に対する致命的な無知の露呈(後半の破綻)

​彼は「加害の定義を拡張し、子を生むことは加害行為であるとしてミルの危害原則に当て嵌めるというのが『お前の勝手な解釈』ということだよ」と言い訳をしています。

​ここが、彼の理解の浅さが完全に露呈した最大のポイントです。

​学術的ファクト
「子を生むことは(同意のない他者をリスクに晒すという意味で)加害行為・害悪であり、危害原則に照らして検討されるべきだ」という議論は、引用レスの主の勝手な解釈などでは断じてなく、デイヴィッド・ベネター自身、あるいは応用倫理学・反出生主義研究において、何十年も前から世界中で議論され尽くしている「極めてメジャーで標準的な学術的アプローチ」そのものです。

​ベネターのロジック
ベネター自身、その著書の中で、出生が子供に与える「害悪(Harm)」についてページを割いて論証しています。

危害原則(他者に危害を与えてはならない)という普遍的な規範に対して、「出生がもたらす害悪」をどう位置づけるかという問いは、反出生主義を語る上での「一歩目(基本)」にすぎません。

​彼は、自分がその基本的な学術的背景(出生を危害原則の文脈で語るという、倫理学における当然の前提)すら知らない無知であるために、引用レスが提示した論理的要約を「個人の勝手な解釈(オリジナル理論)」だと勘違いして冷笑していたのです。

​自分の「無知」をベースにして相手を「勝手な解釈だ」と叩いているという事実が暴かれたわけです。