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論理的破綻

ベネターは「状態評価」から「行為評価」を正当に導いている

​ベネターの非対称性論法は、以下のステップで進みます。

​状態評価(前提)
生まれてくること(存在)は、苦痛(悪)と快楽(良)を生む。

生まれないこと(非存在)は、苦痛の不在(良)と快楽の不在(悪くはない)をもたらす。

トータルで見て、「生まれない状態のほうが、生まれた状態よりも常に良い(悪くない)」。

​行為評価(帰結)
「状態A」よりも「状態B」の方が倫理的に優れている(マシである)という状態評価が確定した。

ならば、道徳的行為者として、より悪い状態Aを避け、より良い(マシな)状態Bを選択すべきである。

ゆえに「子供を生み出すべきではない」。


​これは倫理学における極めて正当な論理の構築(状態評価を根拠にして、適切な行為評価を導くプロセス)です。

私たちは日常でも「赤信号で交差点に進入するのは危険な状態である(状態評価)」→「だから止まるべきである(行為評価)」というように、状態の良し悪しを根拠に行為を決めています。