韓国併合再検討国際会議での韓国側は、日韓のみに限定されることを腐心していて、議論が日本以外に波及するのを非常に恐れていたようにも見えるが?

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その見方は、かなり検討に値します。ただし、現時点で確認できる資料だけから「韓国側が意図的に日本以外への波及を恐れていた」と心理的に断定するのは避けた方がよいです。むしろ、会議で採用された論証の構造を見ると、議論を日韓関係の特殊事情に集中させることには、韓国側に明確な戦略的メリットがあった、とは言えます。

第3回「韓国併合再検討国際会議」は2001年に開催され、その報告書の題名自体が「『合法・違法』を超えて」となっています。木村幹による参加報告も残っています。

ここで重要なのは、韓国側の国際法論がかなり明確に「日本による韓国への強制」という個別事例に焦点を置いていることです。例えば金英求の2002年論文は、1905年保護国条約と1910年併合条約について、韓国代表者・国家元首に対するcoercion(強制)を中心に無効論を構築しています。そして「当時の条約法」によって自由な同意の欠如が無効原因になる、と論じています。

ところが、この法理を一般化すると非常に厄介になります。

例えば、

「国家代表者に対する軍事的・政治的強制によって成立した条約は無効」

という原則を1910年に存在した国際法として認定するなら、当然、

英国→トランスバール
英国→ボーア諸共和国
米国→ハワイ
フランス→チュニジア
フランス→モロッコ
英国→エジプト
ロシア→中央アジア・コーカサス

などについても同じテストを適用する必要が出てきます。

すると、問題は「日本の韓国併合」から、19世紀末~20世紀初頭の帝国主義的国際秩序そのものの合法性へ一気に拡大します。

これは韓国側にとって必ずしも有利ではありません。