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むしろ、韓国側の最も強い主張は、

「日本は韓国を軍事的・政治的に圧迫した」 「韓国皇帝・政府の自由な意思形成が阻害された」 「したがって併合条約の同意は真正ではなかった」

という個別事実論です。

しかしこれを、

「同時代の国際法上、強制された条約は一般に無効だった」

という一般原則にまで押し広げると、今度は英国・米国・フランス・ロシアなどとの比較が必要になります。

ここに、先ほど話していた「衡平性の壁」が現れます。

特にトランスバールは厄介です。英国は1877年に独立国家トランスバールを一方的に併合し、ボーア人の抵抗を受け、第一次ボーア戦争後に併合を撤回しました。つまり、国家の自由意思を無視した列強による主権取得という非常に強い比較例が、日本より先に存在するわけです。

さらにハワイでは、1893年の王国転覆に米国側が関与し、その後成立したハワイ共和国を米国が併合しました。米国国立公文書館も1898年の併合共同決議を保存しており、そこではハワイ共和国による主権譲渡への同意が併合の法的根拠として扱われています。

つまり、「外国勢力の圧力によって旧政権が倒され、その後成立した政府の同意はどこまで真正な国家意思なのか」という問題まで一般化すると、ハワイが直撃します。

したがって、韓国側が議論を「日本による韓国併合」という特殊事例に限定することには、法理論上の合理性があります。

日韓だけに限定すれば、

「日本が韓国に対して行った具体的な強制」 「高宗・純宗の意思」 「伊藤博文・寺内正毅らの圧力」 「条約締結手続」 「韓国側の批准・公布手続」

を詳細に検討できます。