>>241
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もっと正確には、

① 当時の国際法は文明国間を中心とした法秩序だった
② 植民地化される側との関係には、文明国間と同じ法的手続を要求していなかった
③ したがって韓国側の国内法・条約手続上の瑕疵を、そのまま国際法上の無効原因にはできない
④ さらに、韓国併合は英米を含む列強によって受容されていた
⑤ よって、仮に手続的瑕疵が大きくても、当時の国際法慣行から「無効」とすることはできない

という構造です。
そして、ここは先ほどの「高宗への強制」の問題と直接つながります。

木村氏の報告では、会議における韓国側の最大の法的ハードルが「代表者に対する強制」だったと明記されています。通常、条約締結過程における強制を条約無効の根拠とする場合、国家そのものへの圧力ではなく、条約締結を行う国家代表者そのものに対する強制が必要になる、と説明されています。
そして、この会議では問題がさらに上に引き上げられました。実際の署名者である韓国外務大臣への強制ではなく、大韓帝国の主権者であった高宗に直接的強制があったかが争点になった、と木村氏は記録しています。
ところが、木村氏の評価では、李泰鎮氏は高宗への直接的強制を立証する最大の根拠としていた文献について、海野福寿氏から以前の会議で提起された疑義に有効に反駁できませんでした。そのため、

> 「実際に皇帝に対する強制が存在したことを直接的に証明することはできなかった」
と評価されています。

ただし木村氏自身も、「証明できなかったことは、日本側が高宗個人に対する強制・脅迫を行わなかったことを証明するものではない」と明確に留保しています。つまり、**「強制がなかった」と結論したのではなく、「直接的強制を歴史的に立証できなかった」**という評価です。

さらに重要なのは、木村氏がその後の議論を、

「強制があったか」

から、

「何がどの程度まで行われれば、条約の法的効力が否定されるのか」

という、より困難な「当時の国際法」の問題へ移ったと整理していることです。