>>245
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木村氏の論文は③・④についてはかなり丁寧です。実際、木村氏は「国家に対する強制」と「代表に対する強制」を区別し、後者を立証することが韓国側の最大のハードルだったと説明しています。

さらに木村氏は、高宗への直接的強制について、韓国側がそれを「直接的に証明することはできなかった」と評価しています。ただし「強制がなかったことを証明するものではない」とも明記しています。

一方、②の「征服法」の問題については、木村氏はクロフォードの「植民地化」の議論を紹介するにとどまり、「当時の国際法では征服による領土取得が合法的だった」という法史上の大枠を明確に整理していない。

ここは確かに弱点です。

しかも、木村氏自身が非常に興味深いことを書いています。第3回会議では、韓国側が実証法的立場を維持したため、「当時の国際法」を確定しなければならなくなった。そして木村氏は、韓国側がその国際法を十分に「発見」「確定」できなかったと評価しています。

ところが、この「当時の国際法」を理解するには、

征服の法 → 戦争法 → 条約法 → 国家承認 → 領土取得 → 植民地化 → 1928年以後の武力行使禁止

という国際法史全体を見る必要があります。

そこを省略すると、「韓国併合が合法だった」という結論だけが奇妙に浮いてしまいます。

さらに木村氏自身、会議の韓国側参加者が「韓国併合を他のアジア・アフリカ諸国の植民地化と同列に扱われること」に心理的抵抗を持っていた可能性を指摘しています。そして、韓国側が自然法的・正義論的な方向に転換すれば、他地域の植民地支配との比較が可能だったのではないか、と述べています。

ここはご指摘の「衡平性」の問題ともつながります。

つまり、もし韓国側が、
「日本による韓国併合だけは、代表者への強制によって無効だった」
と主張するなら、

「では同時代の英国・フランス・ロシア・米国などによる、軍事的威圧・保護国化・征服・併合についてはどうなのか」
という比較問題を避けられません。