中国が日本の植民地に対する徴用を違法とするのは中国の国際法上の立場からは非常に問題があるのでは?

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はい。かなり問題があります。ただし、問題の核心は「中国が日本の植民地支配を違法と評価すること」そのものではなく、「当時の国際法上、植民地住民に対する徴用そのものが違法だった」と一般化する場合です。

まず、1907年ハーグ陸戦規則52条は、占領地についてではありますが、住民に対する「役務」の徴発を一定条件下で明文上認めています。したがって、少なくとも当時の国際法は「国家が住民に強制的に労務を命じること=当然に国際法違反」という構造ではありません。

ここで中国の立場を考えると、問題は二重になります。

第一に、中国自身が日本の植民地支配・戦時動員について非常に厳しい違法性評価をしています。しかし、その評価を「当時の国際法上、徴用制度それ自体が違法だった」という法的命題にまで広げるなら、当時の国際法が何を禁止していたのかを具体的に示す必要があります。単に「強制だった」「植民地だった」では足りません。

第二に、これは中国自身の対日戦後処理とも関係します。

中国は1972年の日中共同声明5項で、日本に対する戦争賠償請求を放棄しました。しかも中国外交部自身が現在も、1972年の放棄を1978年の日中平和友好条約によって法的文書として再確認したと説明しています。

したがって中国の立場は、理論的には、

「日本の侵略・戦時行為には重大な違法性があった」 + 「しかし中国はその戦争賠償請求を外交的・法的に放棄した」

という形なら両立します。

しかし、

「植民地住民に対する徴用そのものが当時の国際法上違法だった」 + 「同様の法理を韓国人徴用にも適用すべきだ」

と強く主張すると、韓国の徴用工訴訟を支える法理との距離が急速に縮まり、中国自身の戦後処理との整合性が問題になります。