では、日本で相対的に無駄と指摘出来る支出は?

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「無駄」を単純に「金額が大きい支出」と定義するのは適切ではありません。むしろ、今の議論――AIによる雇用・所得構造の変化に備えて給付付き税額控除などへ財源を振り向ける――という観点なら、限界的な1円を別の用途に移したときの社会的便益が小さい支出を探すべきです。

2026年度一般会計は約122.3兆円で、社会保障39.1兆円、地方交付税交付金等20.9兆円、防衛8.98兆円、公共事業6.11兆円、文教・科学6.04兆円という構成です。

この基準で見ると、相対的に見直し余地が大きいのは次のような領域です。

1. 効果の低い補助金・基金 特に「将来必要になるかもしれない」という理由で基金に積み上げ、執行率が低いものです。政府自身も補助金・基金について行政事業レビューや「見える化」を行い、2026年度予算・税制改正でも見直しを進めています。これは最も典型的な「無駄候補」です。目的そのものが必要でも、競争的に配分せず、恒久化した補助金は費用対効果が悪化しやすい。


2. 需要の乏しい公共事業 公共事業6.1兆円そのものを無駄とは言えません。防災、老朽化対策、道路・橋梁の更新などはむしろ重要です。 一方、人口減少地域で利用需要が低く、維持費まで含めた社会的便益が小さい新規インフラは、AI時代の人的資本・所得保障への支出と比較すると優先順位が低くなり得ます。 したがって「公共事業を削る」ではなく、新設から維持更新・防災へシフトする方が合理的です。


3. 効果測定が困難な一部の産業政策 GX、AI、半導体などへの支援は特に注意が必要です。 これらは成長戦略として正当性がありますが、「戦略分野だから」というだけで補助するのは危険です。民間企業が本来自己資金で行う投資を政府が肩代わりしているだけなら、追加的な社会的便益は小さい。 逆に、基礎研究、電力網、計算資源、標準化など市場だけでは過小投資になりやすい分野は優先度が高い。