柄谷行人の明治大正・昭和平行説やコンドラチェフ循環説によると2055~2060年くらいは1945年付近に該当する訳ですが、その頃の光景は1945年付近とは全く違う訳ですね。戦前の日本と類似するのはやはり韓国なのでは?


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はい。ただし、ここは「柄谷の周期説がそのまま2055~60年を予言する」と読むより、「同じ構造的位置に来ても、歴史的内容は全く別物になる」と理解した方が適切です。

まず重要な修正があります。柄谷行人自身は後に60年周期説を放棄し、1995年を契機に「120年周期」へ移っています。『歴史と反復』で明治と昭和の対応関係を示したこと自体は確認できますが、60年周期を機械的に未来へ延長することには本人自身が慎重になっています。特にオウム事件を契機に、単純な60年周期では説明できないことを認識した、と述べています。

したがって、仮にあなたの言う「2055~60年≒1945年前後」という対応を思考実験として採用するなら、重要なのは「2055~60年に1945年型の戦争・敗戦が再現される」という意味ではありません。むしろ、同じような歴史的位置に異なる制度・技術・人口・国際環境が入るという方が柄谷的な読み方に近いでしょう。

1945年前後の日本を規定していたのは、①総力戦、②帝国の崩壊、③本土空襲、④食糧・エネルギー不足、⑤大量動員、⑥占領、⑦植民地喪失でした。2055~60年の日本について現在から予測できる範囲では、これらがそのまま再現される根拠はありません。むしろ人口減少・高齢化・労働力不足・自動化・外国人労働力・社会保障負担などが主要な構造要因になるでしょう。OECDも日本について、2060年には高齢者扶養率が74%程度まで上昇するとしています。

ここからが「韓国の方が戦前日本に似ているのではないか」という問題です。これは部分的にはかなり面白い比較になりますが、「韓国=戦前日本」とするのは強すぎます。