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そして中国については、ここがかなり重要です。中国政府は現在も台湾について「中国の領土の不可分の一部」とし、台湾独立を中国の主権・領土的一体性に対する挑戦として扱っています。また香港・新疆・チベットについても、外部勢力による介入を中国の内政・主権問題への干渉として明確に拒絶しています。

したがって、もしある政治運動が「民族的・歴史的権原によって現在の国家領域を再編できる」という一般原則を採用するなら、中国の立場とは潜在的にかなり強く衝突します。これは「中国が韓国の領土ナショナリズムを必ず敵視する」という意味ではありませんが、中国側に警戒する合理的インセンティブがあることは説明できます。

さらに興味深いのは、日本の自称左派・リベラルがその論理を無批判に採用する場合です。日本国内では「植民地主義批判」「民族自決」「先住民族権利」「沖縄の自己決定」などが結び付けられることがあります。しかし同じ原則を中国の台湾・チベット・新疆・香港に適用するのか、あるいは間島・高句麗・渤海のような中韓間の歴史・領域問題にも適用するのかという問題が出てきます。

ここにかなり強い「内部矛盾の検出装置」があります。

日本についてだけ、 「歴史的支配」 →「現在の主権の正統性を再審問」 →「民族的自己決定」 を認める一方、中国については、 「領土保全」 →「国家統一」 →「分離主義反対」 を支持するなら、少なくとも同一の国際法原則を一貫して適用しているとは言いにくくなります。

ただし逆方向も必要です。中国自身が歴史的権原や民族統合を自国の領土保全の根拠として利用しているため、「歴史を現在の領土問題に持ち込むこと自体が問題だ」という批判を中国だけに向けることもできません。ここは双方に同じ基準を適用する必要があります。