中国にとって間島や高句麗・渤海問題は極めてセンシティブな話です。

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はい。これはかなり重要な論点です。特に「高句麗・渤海・間島」を一つの歴史問題としてではなく、「中国の東北部に対する歴史的・領域的な正統性」という一つの問題群として見ると、中国がなぜ韓国側の一部の民族自決・歴史的領土論に敏感になるのかが分かりやすくなります。

高句麗については、2002年に中国で始まった「東北工程」が直接の契機となり、2003~04年頃に中韓間で大きな歴史論争になりました。中国側では高句麗を古代中国東北部の地方政権・少数民族政権として位置づける研究が強まり、韓国側では高句麗を韓国史の中核的な国家・民族的祖先として位置づける議論が強く反発しました。近年の研究でも、この論争は単なる古代史研究ではなく、中国と韓国双方のナショナル・アイデンティティと外交関係に影響した「history war」とされています。

ここで特に重要なのが「現在の中国領東北部」という地理です。高句麗は現在の北朝鮮だけでなく、現在の吉林省・遼寧省などにも広がっていました。したがって韓国側が「高句麗=韓国史」と強く主張することは、直ちに現在の中国領土の主権を否定することではありませんが、中国側からすれば「現在中国領である地域に朝鮮民族の歴史的国家が存在した」という歴史認識を強く政治化する問題になります。研究上も、高句麗論争が「歴史的所有権」と「領域的所有権」を同時に刺激したことが指摘されています。

間島はさらに直接的です。これは単なる古代史ではなく、清朝・朝鮮王朝間の国境、豆満江(図們江)北岸地域、日本の朝鮮支配、満州における日本の介入が絡む近代の領域問題です。19世紀末から20世紀初頭には、清と朝鮮の間で豆満江北岸地域の帰属が争われ、日本の朝鮮植民地化によってこの問題が日中関係にも組み込まれました。近年の国際法史研究でも、当時の「terra nullius(無主地)」概念がこの地域の領域帰属をめぐる議論に利用されたことが分析されています。