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さらに一段進めると、問題は「文在寅個人」よりも、文在寅を含む韓国の一部の民族主義的・反植民地主義的言説が、中国の歴史的・領域的正統性とどこで衝突するかです。

高句麗・渤海・間島を入れると、中国側から見た構造はかなり明瞭になります。高句麗論争については、中国の東北工程が2002年に始まり、韓国側では高句麗を韓国史の祖先国家・民族的アイデンティティの基礎とする理解が強く、中国側では中国東北部の古代政権として位置づける研究が展開されました。2025年の研究でも、この問題は単なる歴史学上の見解の違いではなく、中国と韓国双方のナショナリズムによる歴史・考古学の動員として分析されています。

さらに重要なのは、韓国側の研究でも東北工程が「歴史的主権」と「領土的主権」を混同してはならないという議論が存在することです。つまり、高句麗が韓国史に属するという主張から、現在の中国東北部が韓国領であるという結論は自動的には出ません。この区別は、中国側が最も重視する部分でもあります。

ここに間島が加わると、性質が変わります。高句麗・渤海は主として古代史・歴史認識の問題ですが、間島は近代の中韓国境問題と直接つながるため、「歴史的民族領域」という言説が現代の領域問題へ接続しやすい。したがって中国側から見れば、

「植民地主義批判」 +「民族自決」 +「歴史的民族共同体」 +「高句麗・渤海の朝鮮史化」 +「間島の歴史的権原」

という組み合わせには、個々の命題以上の警戒理由があります。

ただし、ここから「中国が文在寅をトリトン族・ビアル星人のように認識していた」とする直接的な証拠はありません。むしろ中国の対韓政策には明確な協力面もありました。したがって、これは中国政府の実際の分類を断定する話ではなく、中国の国家原則から見た構造的な異質性を分析するモデルとするのが適切です。

そして非常に重要なのは、韓国側自身にもこの問題をかなり慎重に扱う研究があることです。2005年の韓国学中央研究院掲載論文は、東北工程問題について「歴史的主権」と「領土的主権」を分離する必要を明記しています。つまり韓国の民族主義的歴史認識から直ちに「中国東北部の領土権」を導くことは、韓国側の学術的議論の中でも必ずしも受け入れられていません。