>>633
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ここから文在寅を検討すると、非常に興味深いことが起こります。

文在寅の朝鮮半島政策は、一般的な「少数民族の分離独立論」ではありません。彼が言っていたのはむしろ、**「朝鮮民族自身が朝鮮半島の運命を決める」**という民族的自主の論理です。

2018年9月の平壌共同宣言では、文在寅と金正恩が「朝鮮民族の独立と自決」の原則を再確認し、南北関係を民族的和解・協力・統一へ発展させることを明記しました。 文在寅自身も2018年9月の平壌演説で「われわれ自身が自分たちの運命を決める」という趣旨を明確に述べています。

さらに2017年の文在寅政権の南北政策では、朝鮮半島分断を「植民地時代と冷戦の遺産」と位置づけ、「韓国主導」ではなく「朝鮮民族自身が運命を決める」という枠組みが強く打ち出されました。

ここが中国にとっての「構造的な問題」です。
文在寅の論理を限定的に読むなら、
「朝鮮民族が南北分断を克服する」
だけです。
これは中国にとって必ずしも悪くありません。むしろ米国の東アジア同盟網から韓国を一定程度自律させる方向なので、中国の戦略利益と一致する部分があります。

ところが、この原理を一般化すると、
「歴史的に一つの民族を構成する人民には、自らの政治的運命を決定する権利がある」
という命題になります。
すると中国側にとって問題が発生します。

なぜなら、中国は「民族」を政治的主体として認めながらも、民族単位の外的自決によって現在の中国領域を再編することは認めないという国家原則を採っているからです。

中国の対外関係法17条は、中国の外交の目的として「主権、統一、領土保全の擁護」を明記しています。19条では国連憲章を中心とする国際秩序と国際法を支持するとしています。

したがって中国の法的・政治的構造は、
民族の文化的・社会的権利は認める

しかし国家の領土的一体性を民族単位の外的自決によって変更することは認めない

というものです。