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はい。ここで重要なのは、「中国政府が実際に誰を警戒していたか」という心理推定をいったん括弧に入れて、問題を「ある思想・運動の組み合わせが、中国を含む既存国家の領土保全原則を内在的に不安定化させる構造を持つか」として分析することです。この設定なら、かなり強い論点があります。

まず、「日本の過去を問うこと」そのものが領土保全を破壊するわけではありません。問題になるのは、①日本の植民地支配を違法・不正義とする、②植民地支配によって形成された領域権原を疑う、③歴史的民族の自決権を現在まで存続する権利として扱う、④現在の国家領域より歴史的民族権利を優先する、という4段階が連結された場合です。

この論理を一般化すると、日本にだけ適用することが難しくなります。韓国自身が独島について「日本帝国主義による主権侵奪」を現在の領土主権の問題として説明する一方、独島については韓国の現在の領土保全を強く主張しています。つまり韓国政府の公式論は「植民地主義によって形成された領域権原をすべて無効化する」という普遍論ではなく、「日本による特定の領域取得を否定し、韓国の現在の領土主権を確定する」という選択的・個別的な構造です。

しかし、これをさらに普遍化する活動家・研究者が出てくれば話が変わります。

特に重要なのが「朝鮮人―アイヌ―沖縄」を結びつける思想です。これは単なる推測ではありません。2025年にも石純姫が「朝鮮人とアイヌ民族のつながり――天皇制と植民地支配」という論文を発表しており、朝鮮人とアイヌを「天皇制」「植民地支配」という共通の歴史構造の中で分析しています。

ここで重要なのは、この研究の存在自体を問題視することではありません。問題は、その分析枠組みをさらに政治的・法的に拡張した場合です。

「朝鮮人もアイヌも日本帝国によって支配された」 ↓ 「両者とも歴史的民族として自己決定権を持つ」 ↓ 「現在の日本国家の領域構成そのものが植民地主義の結果である」 ↓ 「したがって現在の領域秩序も再検討できる」

というところまで進めば、沖縄・北海道・朝鮮半島を横断する「歴史的民族主体」の論理になります。