>>649
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ここには国際法上の大きな問題があります。現代国際法は、脱植民地化に伴って「植民地時代の境界だから全部やり直す」という方向には進まず、むしろuti possidetis jurisや国境条約の安定性によって、独立後の国境を固定する方向へ進みました。

したがって「植民地主義批判」と「現在の国境の再審査」は、本来切断されています。
ところが、活動家・民族主義者・一部の歴史研究がこの切断を再び接続すると、非常に広い領域へ波及します。

沖縄なら「琉球の歴史的主体性」。
北海道なら「アイヌの先住民族としての自己決定」。
朝鮮半島なら「朝鮮民族の民族自決」。
間島なら「日本には朝鮮の領域を処分する権限がなかった」というnemo dat型論理。
高句麗・渤海なら「朝鮮民族の歴史的領域」。

この5つが一つの理論体系に入ると、現在の東アジアの国境を歴史的民族主体から再評価する思想になります。

そして、ここで中国にとって最も直接的なのは沖縄でもアイヌでもなく間島です。

間島の場合、
「日本による朝鮮植民地支配は不法」 →「日本には朝鮮領域を処分する権限がなかった」 →「1909年間島協約の正当性を否定」 →「朝鮮民族の歴史的居住・自決権を考慮」
という論理が実際に韓国側研究で存在します。

さらに高句麗・渤海を朝鮮史として扱う民族史観がこれと結びつけば、
「朝鮮民族の歴史的領域」 という概念が中国東北部へ伸びることになります。
ここまで来ると、中国の「主権・統一・領土保全」と明確な緊張関係を持ちます。

ただし、ここでも「だから韓国や在日コリアンの主張が中国領土を法的に脅かす」という結論には飛べません。1962年中朝国境条約という非常に強い現代的法的事実があるからです。

つまり、
「1909年協約の正当性に疑問がある」 ≠ 「現在の中朝国境が無効」
です。
この区別を維持しないと、歴史認識と現代国際法を混同することになります。