>>696
Gemini

* 対立する国際法理:
しかし、もし「過去の不当性」を理由に確定した公法上の状態を無制限に遡及無効化できるとすれば、現在世界中に存在するほぼすべての国境線や領土画定(近代の帝国主義や戦争、実力行使によって引かれたもの)が法的根拠を失うことになります。
木村幹の分析が示した本質とは、これが単なる日韓間の対立にとどまらず、「実効的秩序の維持(法的安定性)」と「歴史的正義の回復」という、国際法が根本的に抱える二律背反を暴いてしまった点にあります。
2. 「日本の過去追及」が孕む「領土保全原則の溶解」という毒素
日本の過去(併合や戦後処理)を無制限に相対化・追及するロジックは、一見すると「反帝国主義」「人権」「道徳的正義」の言語で語られます。しかし、これを徹底して論理的帰結まで推し進めた場合、中国の「核心的利益(領土保全と内政不可侵)」と真っ向から衝突します。
* 中国の絶対的原則:
中国の国家統治および国際法上の立場は、「1648年ウェストファリア体制に由来する主権・領土保全の絶対性」と「内政不可侵」に依存しています。
* 論理の連鎖反応(ドミノ倒し):
もし「道徳的・歴史的不当性」や「少数民族・先住民族の自決権」を理由に既存の条約や領域支配の効力を解体できる論理を正当化するならば、その刃はそのまま清朝による台湾・チベット・ウイグル等の併合・統治の正当性や、現行の中国の国境画定へと直接跳ね返ります。
つまり、日韓の文脈で推進される「歴史的正義による条約の無効化論争」は、中国にとって「自国の領土保全権を根本から溶解・破壊しかねない構造的毒素」を潜在的に孕んでいることになります。