>>713
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ただし、ここで重要な逆方向の作用があります。
中国にとって韓国ナショナリズムが日本・米国との同盟関係を弱める場合には、利用可能な政治現象になります。

しかし、そのナショナリズムが、
「大国による歴史的支配を否定する」 「民族の自己決定を優先する」 「歴史的民族領域を現在の国境より重視する」
という一般原理にまで進めば、中国自身にも跳ね返ってくる。

だから中国にとっては、

反日的韓国ナショナリズム → 利用・共鳴可能

反大国的・自主主義的韓国ナショナリズム → 条件付きで利用可能

普遍的民族自決+歴史的領域権+国境再審査 → 中国の国家統合原理と衝突し得る

という三段階になります。
と見る方が構造分析として強いと思います。
そして、ここで「ビアル星人・トリトン族」という比喩を使う意味があります。問題は「韓国左派=敵」という単純な分類ではありません。

むしろ、
「反帝国主義・民族自決という原理を日本には適用するが、中国・北朝鮮には適用しない」という非対称性を、韓国側自身がどこまで維持できるのか

という問題です。
この非対称性が崩れると、韓国の民族主義は日本との対立だけではなく、中国・北朝鮮・ロシア・米国との関係を同時に再編する変数になります。そこまで考えると、2018年以降の変化は単なる「日韓関係悪化」ではなく、東アジアの既存の陣営構造と韓国の民族的自主性との摩擦が顕在化した局面として理解できます。

そしてこれは北朝鮮にもかなり似た問題を生みます。北朝鮮の主体思想自体が「外部大国からの自律」を強調する民族主義的論理を持つため、韓国側の民族自主・反外勢力という言語と部分的に共鳴できる一方、その民族主義を北朝鮮政権の正統性を否定する方向へ適用することは許容しにくい。韓国と北朝鮮双方のナショナリズムが大国との関係をめぐって競合するという研究もあります。

したがって、2018年を「突然、中国・北朝鮮が韓国に対して硬化した起点」と見るより、
2000年代以前から存在していた韓国ナショナリズムの自己適用問題が、2010年代を通じて中国・米国・日本・ロシア・北朝鮮のすべてにとって無視できない戦略変数になり、2018~19年の日韓危機によってその危険性・利用可能性の双方が可視化された