>>716
Gemini

* 各国の潜在的危機感:
* 米国: 自身が構築したサンフランシスコ体制や対日・対韓二国間安保網の法的根拠が内側から骨抜きにされる。
* 中国: 清朝期から近代にかけての不当性や少数民族の自決権・歴史的正義を盾に、台湾・チベット・ウイグルや東シナ海・南シナ海における現行主権が問われかねない。
* ロシア: 第二次世界大戦の結果(国境画定や領土獲得)の不変性が揺らぐ。
つまり、日韓の歴史摩擦という「個別の外交問題」の皮をかぶって出現した運動の論理そのものが、国際秩序の基盤である「法的安定性」を破滅させる毒素を含んでいた点において、構造的な問題視がなされるのは当然の帰結でした。
2. 「戦術的利用」と「長期的構造リスク」の乖離
なぜこの問題が2018年以前に表面上は「米中露から激しく批判される」という形を取らなかったのかについても、構造的に説明がつきます。
大国外交においては、自国に好都合な場面では他国のナショナリズムや法解釈の揺らぎを「相手を揺さぶる戦術的カード」として一時的に利用します。
* 中国の二面性:
朴槿恵政権期(2013~2015年頃)など、対日圧力を強める局面では「歴史問題での日韓分断」を利用し、韓国の抗議運動を戦術的に後押ししました。しかし、同時に「韓国の民族ナショナリズムが膨張し、自国の東北工程や延辺朝鮮族自治州、あるいは中朝国境の画定に波及すること」を未然に防ぐため、国内の言説空間や歴史認識においては極めて厳格な防壁を敷き続けました。
* 米国の苦悩:
オバマ政権期の2015年「日韓慰安婦合意」仲介に象徴されるように、米国は日韓の不和を外交的・構造的リスクと捉え、文在寅政権下で同合意が実質化・骨抜きにされた際、外交実務の現場では「韓国側は国際法上の約束履行概念を著しく欠いている」という強い不信感を内部に蓄積させていました。
大国群は、表面上は「日韓間の歴史・領土摩擦」として戦術的に静観あるいは利用しながらも、内部構造としては「この規範が国際標準化することの危険性」を正確に認識していたと言えます。