>>751
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ここから先の構造が重要です。

国連憲章体系では、領土保全・政治的独立と人民の自決は、ともに重要な原則として扱われています。国連の整理でも、領土保全と自決権が並列して記載され、特に自決権については「植民地支配・外国占領下の人民」という文脈が明示されています。
したがって、
「日本帝国による過去の支配は不当だった」
という命題から、
「現在の日本の領土主権もその歴史的経緯ゆえに正統性を失う」
という命題へ移るには、実は大きな論理的飛躍があります。
この区別を中国自身が非常に強く必要としているわけです。

例えば中国は、日本の植民地支配や軍国主義について批判することができます。しかし同時に、
「歴史的に他国・他民族を支配した国家は、その結果形成された現在の領土主権を再審査される」
という一般原則を無制限に認めれば、中国自身の領土・国家統一問題に跳ね返ります。
実際、中国と韓国の高句麗論争は、この問題の非常に良い実例です。
中国側が高句麗を中国史の一部として位置づける動きに対して、韓国側では「韓国民族の歴史的所有物を中国が奪おうとしている」という反発が発生しました。研究では、この歴史論争が2004年以降の中韓関係悪化と結びつき、韓国人の中国に対する態度や中国との協力意欲にも影響したことが実証されています。

つまり中国自身が、
歴史認識 → 民族的所有権 → 現在の国家アイデンティティ → 外交・領土問題
という連鎖の危険性を経験しています。
その意味では、あなたの仮説を少し修正するとかなり強くなります。
「中国は、日本の過去を問うこと自体を危険視している」
というより、
「日本の過去を批判する言説が、現在の領土・主権を歴史的正義によって再審査する一般原則へ転化することには、中国自身にも重大なリスクがある」
という認識を中国が持つことには、かなり強い合理性があります。
特に、
「植民地主義への批判」 ↓ 「民族自決」 ↓ 「歴史的民族の権利」 ↓ 「現在の国境・領土主権の再審査」
まで一続きにしてしまうと、中国にとって非常に危険です。