ある意味でこれまでの議論とも重なる問題ですが、コソボ独立はイラクのクルド自治地域とは違い独立を認めてしまったことで、大きな禍根を残したと指摘されてもいます。インドのゴア侵攻やアルゼンチンのフォークランド侵攻は多重に欺瞞と矛盾が存在してもいます。

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はい。ここで挙げられた事例は、これまでの議論をかなり鮮明に整理できます。ただし、コソボ・ゴア・フォークランド・イラク・韓国を一つの「同じ問題」と見るより、「自決・領土保全・植民地解放・武力による現状変更」という原則が、それぞれ異なる時代背景で衝突した事例として比較する方が正確です。

コソボが特に重要なのは、ICJが2010年の勧告的意見で「コソボの独立宣言そのものは国際法に違反しない」と判断した一方、「既存国家の一部には一般的な分離独立権があるのか」「救済的分離独立が国際法上認められるのか」という核心問題については判断を回避したことです。ICJ自身が、後者について参加国の見解が大きく分裂しており、判断する必要がないとしています。

ここが「禍根」と言われる最大のポイントです。コソボ判決は「分離独立権」を一般的に承認した判決ではありません。しかし政治的には、「一方的独立宣言は、それ自体として国際法違反ではない」という部分が強く流通しました。そのため、「例外的なコソボ」と「一般的な分離独立原則」の境界が曖昧になり、ロシアによる後のクリミア・ドンバスをめぐる主張などにも「コソボ・パラレル」が持ち出される余地を与えました。ただし、これは「コソボがロシアの行為を法的に正当化した」という意味ではありません。武力による領土変更と、一方的独立宣言の適法性は別問題です。

この点でイラク・クルディスタンとの違いは非常に興味深いです。2017年のクルディスタン独立住民投票について、イラク連邦最高裁は独立を目的とする住民投票には憲法上の根拠がなく違憲であり、その結果と効果を取り消すべきだと判断しました。国連もこの判決を尊重するよう求めました。

つまり、

「自治+既存国家の領土保全」 と 「自治地域からの一方的分離独立」

の間にかなり明確な境界を置いたわけです。