>ベネターの様々な主張に通底しているのが、我々の日常的な直観の説明に、ベネター自身の反出生主義的な直観が前提に置かれているので、人々の直観と広く一致するとは言い難い。

ここでいう「ベネター自身の反出生主義的な直観に基づく前提」とは、「基本的非対称性」だよ。
ベネターは、我々が日常的に行なっている非対称的な価値判断の説明として、基本的非対称性を提示している。そして、基本的非対称性から「生むべきではない」という普遍的な規範を導いている。
しかし、基本的非対称性はベネター自身の反出生主義的な価値観によって作られたものなので、我々に広く共有されているとは言い難い。
実際、哲学界では様々な批判がなされている。
つまりベネターは、非対性を論証するために非対称性な価値付与を行なっているという意味において循環している。

「生殖義務の非対称性」と「基本的非対称」の連関の不整合は批判文に書いた。因みに、この批判文には私独自の視点が入ってる。