なぜ政治と宗教は結びついたのか?
理由は非常に合理的です。
国家は暴力だけでは長続きしません。支配者が「神に選ばれた存在」「神そのもの」であると信じられれば、民衆は王への服従を単なる力への屈服ではなく、宇宙や神の秩序に従うこととして受け入れやすくなります。また、豊作・治水・戦争の勝利なども神意と結び付けられたため、祭祀を司ることは国家を維持するうえで不可欠でした。
このように、古代国家では宗教は単なる信仰ではなく、政治の正統性を支える制度でもありました。そのため、多くの文明で「王」と「最高祭司」が同一人物、あるいは極めて近い存在だったのです。現代の政教分離は、こうした古代・中世の統治形態から長い歴史を経て形成された、比較的新しい考え方と言えます。