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この点は、先ほどの「中国人は近所の見知らぬ中国人より、知人の外国人を優先することがある」という話ともつながります。もちろん個人差が大きく、これを「中国人はそういう国民性だ」と一般化するのは危険ですが、社会関係の構造としてなら一定の説明力があります。中国のguanxi研究では、共有された集団アイデンティティよりも特定の二者間関係が基本になることが指摘されています。

逆に韓国では、「同じ学校」「同じ地域」「同じ組織」「同じ世代」などの共有属性が関係形成に強く作用します。韓国の「ウリ」は、単なる血縁共同体ではなく、近代社会における「所属共同体」にまで拡張されている、と考えると理解しやすいでしょう。

ただし、ここには重要な反対材料があります。韓国と中国を「韓国は集団主義、中国も集団主義」と単純に並べるのは、現在の社会を説明するには粗すぎます。比較研究では、両国には共通する儒教的背景がある一方、政治体制・経済発展・民族構成などによってかなり異なる文化的特徴が形成されていることが確認されています。GLOBEの文化尺度を用いた韓中比較でも、集団主義だけでは両国の差を十分説明できず、成果志向、人間志向、権力距離など複数の軸で差が現れています。

さらに興味深いのは、韓国の「ウリ」と中国の「guanxi」が、ともに「身内びいき」を生み得るにもかかわらず、その論理が違うことです。

韓国型は、「あなたは私たちの仲間だから助ける」という共同体的・情緒的な論理になりやすい。

中国型は、「私たちは関係があるから、お互いに助ける」
という互恵的・ネットワーク的な論理になりやすい。