・橘玲
民主党政権の3年半は、かんたんにいえば、相手を口汚く罵っていた奴が、「だったらお前がやってみろよ」といわれて責任者になったら、けっきょくなにひとつマトモにはできなかった、という話です。人間関係において、これほど信用を失墜させる行動はありません。

複雑な利害のからむ政治の世界では、自分がつねに正しく相手がすべて間違っている、などということはありません。しかし民主党は、勧善懲悪の時代劇のような善悪二元論に立って、自民党時代の改革をすべて反故にし、官僚組織を敵に回し、統治の崩壊を引き起こしてしまったのです。

さらにいえば、私たち凡百の人間に「歴史を変える」ことなどできるわけもありません。しかし民主党の議員のなかには、エリート意識とヒーロー願望から自分を坂本龍馬になぞらえるひとが溢れていました。こうした傲慢さもまた、有権者から忌避されることになった理由でしょう。