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ただし、決定的な相違があります。戦前日本は当時まだ農村人口が非常に大きく、工業化によって大量の労働力を吸収する余地がありました。現在の韓国は逆に、15~64歳人口が2020年の3,664万人から2024年の3,562万人へ減少しています。出生率も2023年0.72とOECD最低水準でした。したがって韓国は「若年雇用の問題」を抱えながら、同時に「将来的な労働力不足」に突入しています。

ここが非常に興味深いところです。韓国では現在、

「若者から見ると良質な仕事が不足」 と 「企業から見ると将来的に労働力が不足」

が同時に存在しています。

これは一見矛盾しますが、実際には労働市場のミスマッチで説明できます。つまり「労働者総数が不足している」のではなく、「大企業・首都圏・正規職・高賃金の仕事には応募が集中し、地方・中小企業・非正規・低賃金部門では求人が余る」という構造です。OECDも、韓国では失業率が低い一方、若者や現役世代の非活動が多く、労働市場の二重構造が雇用拡大の障害になっていると指摘しています。

この意味では、むしろ「戦前日本+高度成長期日本の中間」に近い面があります。戦前日本との類似性は「急速な工業化・大企業中心の近代化・二重構造」にあり、高度成長期日本との類似性は「若年人口を近代産業へ大量に吸収する過程」にあります。しかし人口動態は現在の日本以上に急速に反転しており、ここでは戦前日本・高度成長期日本との平行性が崩れています。

そして、先ほどの中国との競争を重ねると、さらに重要な構造が出ます。韓国は「若年層にとって魅力的な高生産性雇用が不足する」という問題を抱える一方、その高生産性雇用を支えている半導体・自動車・造船等では中国企業との競争が激しくなっています。したがって、中国のキャッチアップが進めば、韓国が必要としている「高生産性・高賃金雇用の拡大」と逆方向の圧力がかかる可能性があります。