日本の民主党政権下で、国際法上の領土保全原則や中国の領土保全権を侵す文脈に接続しかねない事態が発生していたのか?中国は間島や高句麗・渤海問題があるので、在日コリアンに何か有利になる状況は好まないはずだが?

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はい。ただし、論点を二つに分ける必要があります。結論から言えば、民主党政権期(2009~2012年)には「在日韓国・朝鮮人の政治的地位を日本国内で拡大する」方向の政策構想が実際に存在しました。しかし、それを直ちに「中国の領土保全権を侵害する事態」と評価するのは、国際法上はかなり飛躍があります。一方で、中国の東北部・朝鮮族・韓国との歴史認識問題まで含めた地政学的文脈では、中国が警戒し得る構造は確かにあります。

まず、確認された事実です。民主党は結党以来、永住外国人への地方参政権付与を政策として掲げ、2009年の政権獲得後もその方針を維持しました。2009年の国会審議でも「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」とする政策集が確認されています。 鳩山政権ではこの問題が実際に法制化の主要議題となり、韓国系在日団体である民団との政治的関係も背景として存在しました。もっとも、法案は党内対立、連立政権内の意見相違、2010年参院選後の政治力低下などによって成立しませんでした。研究でも、民主党政権下の2009~2012年を「立法化の試みと挫折」と整理しています。

ここで重要なのは、「外国人地方参政権」と「領土保全」を直接結びつけないことです。国際法上の領土保全原則は、基本的には国家間関係において、他国が武力その他の国際法上許されない手段によって国家の領土的一体性を破壊してはならない、という原則です。国連総会決議2625も、国家の領土保全・政治的独立に対する武力行使を禁止し、さらに他国の国内統一・領土保全を破壊する行為を国家が行わないことを述べています。

したがって、日本が在日韓国人に地方参政権を与えようとしたこと自体は、中国の領土保全権を侵害する行為ではありません。対象となる領域は日本国領域であり、中国の領域ではないからです。また、韓国系住民に日本の地方政治への参加権を与えることから、中国領土の分離・変更を直接導く法的効果もありません。