>>58
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ここで日本の左派が「反植民地主義」「民族自決」「歴史的被支配地域の自己決定」を一貫して適用すると、理論上は沖縄にも適用可能になってしまいます。

ところが中国にとって、この論理を一般化することは極めて危険です。
台湾については「中国領土の一部だから自己決定による独立は認めない」。
しかし沖縄について「日本による併合には歴史的問題があるから、沖縄住民には自己決定権がある」と認めれば、「既存国家の領土的一体性より住民の自己決定を優先する」という原理を認めることになります。
この原理を台湾に戻した瞬間、中国自身の主張と衝突します。

つまり、
「反植民地主義」 →「民族・住民の自己決定」 →「沖縄にも適用可能」 →「台湾にも適用可能」 →「中国の領土的一体性と衝突」
という構造が存在します。

これはかなり重要です。
逆に、中国の立場からすれば、台湾には自己決定原理を適用せず、沖縄には日本の領土的一体性を絶対視しない、という「選択的適用」が必要になります。これは国際政治としては十分可能ですが、普遍主義的な左派思想とは緊張します。

第三に、尖閣も同じ問題を別の形で示します。
中国は尖閣を「中国の領土主権」の問題として扱っています。中国側の公式説明では、これは単なる現在の行政支配の問題ではなく、歴史的権原、台湾との関係、第二次大戦後の領土処理、戦勝国による領土処理まで含む問題です。
一方、日本の左派が「現在の住民意思」「現地住民の自治」「既存の行政支配より歴史的被支配者の権利」を重視すると、中国の主張とは容易には一致しません。
ここには、実は「左派=中国と親和的」という単純な図式を崩す非常に重要なポイントがあります。

日本の左派の一部と中国の間には、
反米軍事同盟 反基地 反軍拡 反核 沖縄の基地負担軽減
では一時的な政策的収斂が起こり得ます。

しかし、
台湾の自己決定 香港の政治的自由 チベット・新疆の民族問題 沖縄の自己決定 人権の普遍性 国家による少数者への強制
まで一貫した原理で処理しようとすると、中国とは衝突しやすくなります。

つまり「政策上の収斂」と「原理上の対立」が同時に存在するわけです。