1990年代以降から2010年代前半は昭和初期と類似性平行性があるはずですが、軍事ケインズ主義で打開する方法は、現代戦でのコストや地政学的条件の変化で極めて困難だったと

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はい。ただし、ここも「昭和初期=軍事ケインズ主義」という単純化は避けた方がよいです。より正確には、1990年代~2010年代前半と昭和恐慌期には「需要不足・デフレ・企業の債務調整・雇用悪化」という平行性があり、その打開策として1930年代には財政金融拡張が行われ、最終的に軍需拡大が巨大な需要創出装置になった、という関係です。

まず1990年代以降の日本は、かなり明瞭に昭和初期との類似性があります。厚労省によれば、1993~2005年には有効求人倍率が13年間連続して1倍を下回り、2002年の完全失業率は5.4%と過去最高を記録しました。1990年代後半以降は企業の過剰債務処理や財務体質強化が進み、賃金・消費も停滞しました。これは、1930年前後のデフレ・企業調整・失業増加との構造的類似性があります。

昭和恐慌の場合、高橋財政は軍事政策そのものではなく、①金本位制離脱、②円安、③金融緩和、④国債発行を伴う財政拡張というマクロ政策の組み合わせでした。日本銀行は、この政策によって日本が欧米主要国より早くデフレから脱却し、景気回復を実現したと評価しています。 そして景気回復後、軍事支出が急速に拡大していきます。ここで「軍事ケインズ主義」的な経路が強くなります。

しかし、1990~2010年代の日本には、この1930年代の経路をそのまま再現する条件がありませんでした。

第一に、戦争そのものの経済的コストが全く違います。1930年代は軍需拡大が重化学工業、鉄鋼、機械、造船などの国内生産能力拡大と直接結びつきました。一方、現代の防衛装備は高度な電子機器、半導体、航空・宇宙技術、ミサイル、センサー、サイバー・宇宙システムなど、非常に高価で技術集約的です。したがって防衛支出1円が1930年代と同じ規模の国内雇用を生み出すとは限りません。