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国内向けのD2Cでは、KDDIがスペースXと組んで25年4月に「au Starlink Direct」を開始した。スペースXはD2C向けに、高度約550キロメートルなどに配備している通常のStarlink(スターリンク)衛星とは別に、面積約6.2平方メートルの平面アンテナを搭載したD2C用の衛星を高度340キロメートルに配備している。

au Starlink Directの通信速度は非開示だが、ユーザーができることはテキストメッセージの送受信や位置情報の共有、天気予報など一部アプリの利用に限られる。一方、楽天モバイルは動画の送受信もできるブロードバンドを目指している。その鍵を握る技術チャレンジの1つが、BlueBird 6の大型アンテナの展開だった。

26年末までに最大60機を打ち上げ

楽天モバイルは25年4月、国内で初めてD2Cの実証でビデオ通話に成功した。この実証では福島県内にゲートウェイ地球局(地上局)を設置し、そこから電波をASTスペースモバイルの実証衛星「BlueBird Block 1」に向けて発信し、衛星を介して地上の携帯電話ネットワークの圏外にいるスマホが受信した。そして通話アプリを使って福島県と東京都間でのビデオ通話を実現した。BlueBird Block 1は、スペースXのD2C衛星の約10倍に当たる64.4平方メートルの面積を持つ大型アンテナを搭載する。

BlueBird 6が搭載するアンテナのサイズはBlock 1の3倍以上。一般に、衛星に搭載するアンテナを大型化すると展開機構や姿勢制御、軌道上におけるアンテナ形状の維持などに高度な技術が要求される。例えば、打ち上げ時に収納されたアンテナを軌道上で展開する際、何らかの誤差が生じるとアンテナの性能が低下する可能性がある。ASTスペースモバイルは今回、展開機構が正常に動作することを実証した。