>>834
通信は不透明な部分が多すぎる

各キャリアやサービスは「人口カバー率99%超」「空が見えればどこでもつながる」など多種多様な案内をしている。しかし同じ場所・同じ時刻に複数の通信端末を並べたら、実際はどうなるのか、「圏内」表示の場所で本当に実用的な速度が出るのか、離島・洞窟・展望台など「ふつう測らない場所」では何が起きるのか、人が多く集まる場所では通信は本当に落ちないのか、といった「現場の正直な数字」は意外なほどネット上に存在しない。

本連載は、旅行・通信の両業界を実務で横断してきた荒木孝博が、自らの足で全国を巡り、第三者的な立場で実測データを公開することを目的としている。

離島での検証結果。楽天モバイルが全スポットで健闘
WiMAX系は離島の屋外では基本的に圏外だった。市街地の鉄砲館でこそNC03が11.62Mbpsを記録したものの、海岸・岬・展望台では2機種ともほぼ全滅している。これは機器の優劣ではなく「都市部の人口密集地に最適化されたサービス特性」であり、本土・市街地での補助回線としては依然有効と評価できる。

一方、最も評価を改めるべきだったのが楽天モバイルである。市街地(鉄砲館)では5G接続で252.30Mbpsを記録し、Starlinkに迫る速度を叩き出した。市街地を離れた竹崎漁港観望台でもLTEで91.05Mbpsと高速を維持し、空が遮られStarlinkもWiMAXも全滅した千座の岩屋(海食洞)内で、4回線中ただ一つ通信を維持し2.16Mbpsを記録した。

注目すべきは、6スポットすべてで「圏外ゼロ」を記録したのは楽天モバイルだけだったという点である。「離島だから楽天は圏外」というかつてのイメージは、もはや通用しない。エリア拡大の積み重ねが、離島の通信環境を確実に塗り替えつつあり、「移動しながら使う回線」の第一候補として十分に戦えることが、現場の数字で裏づけられた。